はじめに|鳥取県中部はこんなにすごい場所なんです
「鳥取といえば砂丘でしょ?」と思っている方、ちょっと待ってください。鳥取県の中部エリア、倉吉市・三朝町・湯梨浜町あたりには、砂丘に負けないくらい個性的で、深みのある観光スポットが集まっているんです。
断崖絶壁に建つ「日本一危険な国宝」と呼ばれる謎のお堂、江戸時代の風情をそのままとどめる白壁の町並み、世界屈指のラジウム泉が無料で楽しめる野天風呂、そして日本の山陰の地にひっそりと佇む本格的な中国庭園。こんなにバリエーション豊かな場所、なかなか見つかりませんよね。
この記事では、鳥取県中部を代表する4つの観光スポット、三徳山三佛寺投入堂、倉吉白壁土蔵群、三朝温泉の河原風呂、中国庭園燕趙園を、2026年の最新情報をもとに詳しくご紹介します。それぞれのスポットの基本情報から、見どころ、アクセス、料金、注意点まで、旅の計画に必要なことをすべてまとめました。
こんな方におすすめです
誰もが知っている有名観光地よりも、ちょっと特別な場所へ行きたいという冒険好きな方にはぴったりのエリアです。歴史や文化、建築が好きな方ならたまらないスポットが揃っていますし、温泉好き、特に個性的な野天風呂が好きな方にもぜひ体験してほしい場所があります。カップルやご友人との小旅行を計画中の方、日本にいながら異国情緒を楽しみたい方にも、強くおすすめします。
4つのスポットは車で15分から45分の範囲に集まっているので、2泊3日あればすべてまわることができます。三朝温泉を拠点にするのが効率的で、温泉旅行と観光を組み合わせた、満足度の高い旅になるはずです。
こちらの記事では、三朝温泉エリアでおすすめの宿泊施設もあわせてご紹介しています。旅の計画に、ぜひお役立てください。
三徳山三佛寺投入堂|「日本一危険な国宝」に会いに行く、命がけの絶景体験

投入堂はこんな場所
三佛寺投入堂は、鳥取県中部・三朝町にある天台宗の古刹、三徳山三佛寺の奥院です。標高900メートルの三徳山の中腹、標高520メートルの断崖絶壁の窪みに建てられた小さなお堂で、鳥取県で唯一の国宝建造物に指定されています。
お寺の開山は慶雲3年、西暦706年にのぼります。役行者が3枚の蓮の花びらを散らして「仏教に縁のあるところに落ちるように」と祈ったところ、その1枚が伯耆の三徳山に落ち、この地を修験道の行場として開いたのが始まりとされています。その後、嘉祥2年の849年に慈覚大師によって阿弥陀如来・大日如来・釈迦如来の三尊が安置され、三佛寺と称されるようになりました。源頼朝や足利義満も同寺を尊崇しており、盛時には38寺49院を数えたと伝わっています。
奥院の投入堂は平安時代後期に建てられたとされています。2001年に奈良文化財研究所が実施した年輪年代測定によって、1086年から1184年の間に建てられたことが判明しており、現存する神社仏閣建築として最古級の建物のひとつです。ただし、どのようにしてこの断崖絶壁に建てられたかについては、今もなお謎のままです。
修験道の開祖・役小角が法力によってお堂を手のひらほどの大きさに縮め、大きな掛け声とともに断崖の岩窟へ投げ入れたという伝承が語り継がれています。だから「投入堂」と呼ばれるようになったんですね。
写真家・土門拳は「日本第一の建築は?と問われたら、三佛寺投入堂をあげるに躊躇しないであろう」と述べたほどの建築美があります。垂直に切り立った絶壁の窪みに収まるように建てられた懸崖造りの構造、軽快な反りを持つ屋根の形、柱の構成など、建築美という観点からも高く評価されているんです。
三徳山は1934年に国の名勝および史跡に指定されており、一帯は大山隠岐国立公園に含まれています。さらに日本遺産第一号にも認定されており、広大な原生林や変化に富んだ渓谷美も楽しめる場所です。全国森林浴の森百選にも選ばれており、自然の豊かさという点でも第一級の場所なんです。
おすすめポイント
この観光スポットの最大の魅力は、なんといっても「体験型」であること。投入堂を見るためには、険しい山道を自分の足で登らなければなりません。舗装されていない獣道のような急斜面を、山伏たちが何千年と踏み固めてきた道筋を辿りながら進んでいく。その過程そのものが、修験道の聖地に踏み込む体験になっています。
息を切らして辿り着いた先に、断崖絶壁に張り付くように建つお堂を目にしたときの感動は格別です。達成感と驚きが混ざり合った、写真では絶対に伝えきれない体験がそこにあります。
山道の途中にある文殊堂や地蔵堂も重要文化財に指定されており、特に文殊堂は手すりのない縁側から山々が連なる絶景パノラマを望めます。手すりのない縁側に腰かけると、足元の遥か下まで山の斜面が広がり、自然と「六根清浄」を唱えたくなるような、圧倒的な景色が広がっています。投入堂だけでなく、山道全体が見どころの連続なんです。
体力に自信がない場合は、麓の車道から投入堂を眺められる「投入堂遥拝所」からの観賞もできます。望遠鏡を使えばお堂の様子を確認でき、断崖に張り付く神秘的な姿は遥拝所からでも十分に楽しめます。
季節ごとの楽しみ方
春は新緑が山を彩り、深い杉林の緑が清々しい季節です。夏は山の緑が濃くなり、清流のせせらぎが心地よく、三徳川流域の渓谷美が見ごたえ十分になります。三佛寺の境内に咲く花や、木漏れ日が差し込む参道の雰囲気も格別です。
秋は紅葉が山を染め、お堂周辺の風景は格別の美しさになります。断崖絶壁に建つ投入堂の周囲を紅や黄色に色づいた木々が包む風景は、一生の記憶に残る景色になるはずです。冬は積雪があると奥の院への入山が禁止されますが、雪をまとった三徳山の荘厳な景色は、遥拝所から眺めるだけでも価値があります。
季節や天候によって入山規制がかかることがありますので、訪問前に公式ウェブサイトの最新情報を確認することをおすすめします。2026年4月27日更新の公式情報では、雨後のため足元が悪い状態での注意も呼びかけられていました。
Tips 1:入山前に服装チェックがあります 三徳山への参拝登山には、事前に服装と靴のチェックがあります。動きやすい服装、両手が自由に使えるリュックサック、滑り止めのある登山靴もしくはグリップのしっかりしたスニーカーが必須です。サンダル、ヒール、底の薄い靴では入山できません。軍手、タオル、飲み物も持参すると安心です。また、2人以上でないと参拝登山できませんというルールがあります。一人旅の場合は遥拝所からの観賞になりますので、あらかじめご注意ください。
アクセス・行き方
電車・バスの場合
JR倉吉駅から日ノ丸バスに乗り、約40分で「三佛寺」バス停下車。バス停から三佛寺の入口まで徒歩数分です。バスの本数が少ない場合がありますので、事前に時刻を確認してから出発しましょう。
車の場合
三朝温泉から車で約10分、約7キロメートル。倉吉市内から車で約30分。鳥取砂丘コナン空港から車で約45分。駐車場が隣接しています。
営業時間・料金・注意点
- 受付時間: 8:00〜15:00(下山は16:30まで)
- 本堂の参拝: 8:00〜17:00
- 入山料(参拝登山料+入山志納金): 大人1,200円、小人600円
- 入山志納金のみ(遥拝所参拝など): 大人400円、小中学生200円
- 定休日: 基本なし。冬季積雪時・雨天・荒天時は登山規制あり
- 注意: 境内および近辺へのドローン飛行は禁止されています
- 混雑: 春・秋の行楽シーズンは参拝者が増えます。早めの時間帯に行くのがおすすめです
倉吉白壁土蔵群|山陰の「小京都」でタイムトリップする午後

白壁土蔵群はこんな場所
倉吉市の旧市街地、打吹山のふもとを流れる玉川沿いに、白い漆喰壁と黒い焼杉板、赤い石州瓦という独特の組み合わせの土蔵や商家がずらりと並んでいます。これが倉吉白壁土蔵群です。
江戸末期から昭和初期にかけて建てられた建物が今も現役で残っており、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。室町時代には打吹城の城下町として栄え、江戸時代には陣屋を中心に武家屋敷が建てられた歴史あるエリアで、その風情から「山陰の小京都」とも呼ばれています。映画「男はつらいよ」の撮影地にもなった場所です。
また、「酒と醤油のかおる倉吉白壁土蔵群」としてかおり風景百選に選ばれているのも特徴のひとつです。醤油蔵から漂う香ばしい香りと、造り酒屋から漂う酒の香りが、散策しながらふわっと鼻をくすぐります。かつてはこのエリアに、造り酒屋や醤油屋、油屋、米屋が軒を連ねており、今もその老舗の一部が現役で営業しています。
さらに「美しい日本の歴史的風土100選」にも選定されており、いくつもの国のお墨付きを得た、本物の歴史的景観が残る場所なんです。
おすすめポイント
白・黒・赤の3色のコントラストが、この場所の最大の魅力です。白い漆喰の上半分と黒い焼杉板の腰壁を組み合わせた土蔵の壁面、そして赤い石州瓦の屋根。この3色の組み合わせが統一されているから、どこを切り取っても絵になる風景が広がっています。
漆喰は防水の役割を果たし、焼杉板は耐火性と風雨への耐久性を高めるためのものです。実用性から生まれた意匠が、こんなに美しい景観を作り出しているというのが面白いですよね。赤い石州瓦は島根県石見地方を起源とするもので、焼成温度が1200度以上と高いため凍害に強く、山陰地方の風土に合った素材なんです。
玉川に架かる一枚石の緩やかな反りを持つ石橋が、水面に映る土蔵の風景をより情緒豊かにしてくれます。石橋の上に立つと、両岸に土蔵が並ぶ風景が広がり、まるで別の時代に迷い込んだような感覚を覚えます。
見どころ|まち歩きの楽しみ方
白壁土蔵群の散策エリアは玉川沿い約400メートル。こじんまりとしているようで、じっくり歩くと発見がたくさんあります。エリアは本町通りの商家を主体とする景観と、玉川沿いの土蔵を主体とする景観の2つに大きく分かれており、それぞれ違った味わいがあります。
かつての蔵や商家を改装した「赤瓦」と呼ばれる施設群は、一号館から十八号館まであり、物産館やギャラリー、喫茶店、雑貨店などさまざまなお店が入っています。倉吉の伝統工芸「倉吉絣」の体験教室や、老舗の醤油・地酒の見学・購入もできます。浴衣や着物でまち歩きを楽しむこともできますよ。春は倉吉絣の涼やかな浴衣を着て、白壁の前で写真を撮るのが人気です。
エリアには七福神をモチーフにした木彫りの福の神が各所に設置されており、ポイントをまわりながら「福の神めぐり」を楽しむのも散策の楽しみ方のひとつです。
まち歩きをより楽しみたい場合は、「倉吉白壁土蔵群観光案内所」で観光ガイドのサービスを利用するのがおすすめです。元帥酒造や桑田醤油醸造場など、ガイドならではの視点で建物の歴史や見どころを案内してもらえます。まちのメインエリアをご案内するスタンダードコース(約550メートル)から、福の神をめぐるコース(約1.1キロメートル)まで、目的や体力に合わせて選べます。
春の桜シーズンも白壁土蔵群は見どころです。打吹山を望む撮影スポットからは、桜と白壁の組み合わせが美しく、SNS映えする写真が撮れます。2026年の倉吉の桜開花情報は観光情報サイトでも随時更新されていますので、シーズン前にチェックしてみてください。
Tips 2:レンタサイクルで効率よく周ろう 白壁土蔵群観光案内所では、レンタサイクルの貸し出しも行っています。白壁土蔵群周辺は自転車でちょうどよい距離感に観光スポットが点在しているので、レンタサイクルを使うとぐっと行動範囲が広がります。観光案内所にはコインロッカーもあるので、荷物を預けて身軽に散策できます。大きな荷物を持ったまま石橋を渡ったり細い路地を歩いたりするのは大変なので、まず案内所に立ち寄ることをおすすめします。
アクセス・行き方
電車・バスの場合
JR倉吉駅から日本交通または日ノ丸自動車バスに乗り、約12分で「赤瓦・白壁土蔵」バス停下車。そこから徒歩約5分です。
車の場合
米子道「湯原IC」または「蒜山IC」から車で約40分。中国道「院庄IC」からは国道179号線経由で約60分。周辺には観光駐車場が約400台分あり、無料で利用できます。
営業時間・料金・注意点
- 散策: 通年見学自由、無休
- 入場料: 無料
- 各店舗の営業時間・定休日: 店舗によって異なります。事前に倉吉観光情報サイトでご確認ください
- 観光ガイド: 1時間以内3,300円、30分超過ごとに1,100円追加。要事前予約
- 混雑: 紅葉シーズン・ゴールデンウィークは観光客が増えます。週末は特に混雑することがあります
- 散策エリアは基本的に屋外ですので、歩きやすい靴でお越しください
三朝温泉の河原風呂|800年の名湯が無料で楽しめる、野天風呂体験

河原風呂はこんな場所
三朝温泉は鳥取県東伯郡三朝町に位置し、世界屈指のラジウム泉として国内外に知られる名湯です。ラジウム含有量の高さは世界トップクラスであり、温泉地としての歴史は800年以上にのぼります。
その三朝温泉のシンボルともいえる存在が、河原風呂です。温泉街の中央にかかる三朝橋のたもとから石段を下りた三徳川の河原に、岩を組んで作られた湯船がある混浴の露天風呂。河原から自然に湧き出す温泉を石で囲んだという、豪快でシンプルな構造です。もとは地域住民のための共同浴場として造られたもので、今でも地元の人と観光客が一緒に利用する、開かれた温泉です。
青空の下、三徳川のせせらぎを耳にしながら、世界屈指のラジウム泉に浸かる体験はここでしか味わえません。温泉街の風景を眺めながら、800年の歴史に思いを馳せてみてください。
三朝橋は昭和9年に造られた青御影石造りの橋で、「三朝大橋」の名で地元に親しまれています。橋のたもとに佇む河原風呂との組み合わせが、三朝温泉を代表する風景になっています。橋の上に立つと、眼下に温泉街のたたずまいと清流が広がり、まるで絵葉書のような情景が楽しめます。
おすすめポイント
まず驚くのが、完全無料であること。世界屈指のラジウム泉に、無料で入れてしまうんです。観光地としての魅力とともに、地域の公共の温泉として今も息づいているというのが、三朝温泉のおおらかさですよね。
足湯も隣接しているので、混浴の露天風呂に抵抗がある方でも気軽に三朝の湯を楽しめます。三朝橋の上から眼下に広がる温泉街の風景を見ながら、足だけ温泉に浸けてのんびりするというのも、十分な癒しになります。
夜は昼間より人が少なく、しっとりとした静けさの中で星空を眺めながら入浴できることも。昼間とは打って変わった雰囲気があり、夜の河原風呂は特別な解放感があります。橋のライトが川面に映る夜の風景も風情があって素敵です。宿泊の旅行者なら、夜に浴衣姿でふらっと立ち寄ってみるのがおすすめの楽しみ方です。
温泉街の散策とあわせて楽しもう
河原風呂の入口のすぐ脇には、昭和4年制作の映画「三朝小唄」の主人公、男女の二人が三朝橋で寄り添う姿を表したブロンズ像があります。昭和の風情が漂う温泉街の雰囲気とこのブロンズ像がよく合っていて、タイムスリップしたような気持ちになれます。
温泉街には河原風呂のほかにも、三朝温泉発祥の地とされる公衆浴場「株湯」、薬師様が祀られた広場にある「薬師の湯」など複数の公衆浴場があり、はしご湯を楽しみながら温泉街をゆっくり歩いてみるのもおすすめです。
三朝温泉ならではの楽しみ方として「飲泉」もあります。境内の「神の湯」では24時間無料で温泉を飲むことができます。温泉を飲むという体験は、温泉好きでも経験したことのない方が多いはず。歴史ある名湯を五感で楽しんでみてください。
さらに三朝温泉では「ラドン熱気浴」という温泉の蒸気を吸い込む体験「すーはー温泉」もあります。これは三朝温泉ならではの独自コンテンツで、呼吸からラドンを取り込む独特の入浴スタイルです。
Tips 3:ラジウム泉の「ラドン」って何? 三朝温泉に含まれる主な成分は「ラドン」という放射性ガスです。「放射性」と聞くと不安になるかもしれませんが、温泉に含まれるラドンは極微量であり、古くから湯治効果があるとされてきました。呼吸によって体内に取り込まれたラドンは、自然に体外へ排出されます。「ホルミシス効果」と呼ばれる微量放射線による健康への好影響が期待されると言われていますが、科学的な効能については専門家の間でも議論があります。過信は禁物ですが、800年の歴史を誇る名湯の雰囲気を楽しむ気持ちで、のんびり浸かってみてください。
アクセス・行き方
電車・バスの場合
JR倉吉駅からバスで約30分、「三朝温泉」バス停下車。バス停から河原風呂まで徒歩約5分です。
車の場合
三徳山三佛寺から車で約10分。倉吉市内から車で約30分。三朝温泉街の中心部にあります。
営業時間・料金・注意点
- 利用時間: 通年24時間
- 料金: 無料
- 清掃: 原則として奇数日の午前中は清掃のため入浴不可
- 形式: 混浴の露天風呂。足湯も隣接あり(足湯も無料)
- 水着・湯あみ着: 着用不可。バスタオルを持参のこと
- 橋の上や周囲から浴槽が見える位置にあります。特に昼間は開放的な構造になっていますので、女性の方は夜間の利用がおすすめです
- 脱衣スペースは簡易的なものですので、貴重品の管理にはご注意ください
中国庭園 燕趙園|鳥取に中国王朝の世界が広がる、日本最大級の本格庭園

燕趙園はこんな場所
「なぜ鳥取に中国庭園が?」と思う方も多いはずです。それには理由があります。
燕趙園は、鳥取県と中国河北省の友好のシンボルとして1995年に建設された、日本最大級の本格的な中国庭園です。東郷湖を望む湯梨浜町の高台に位置しており、山陰八景に数えられる東郷湖と三方の山々に囲まれた景色が中国河北省の風景に酷似していることが、この地が選ばれた理由のひとつとされています。
単に「中国風のデザイン」というレベルではなく、設計から素材の調達・加工まで、すべての工程が中国で行われた本物の中国庭園です。一度中国で仮組みしたものを解体して日本に運び、中国人技術者の手によって現地で再度建設されました。建物に施された2,000を超える彩画もすべて中国人彩画師の手によるもので、妥協なく本物を追求した庭園なんです。
かつて皇帝のみが使用を許されたという黄色い瑠璃色の瓦葺きの殿、堂、あずまや、回廊と、ギザギザの橋、太鼓橋など、中国王朝時代の景観がそのまま広がっています。園内に入った瞬間から、まるで中国へワープしたような感覚になります。
2026年には、WOWOWとLemioの連続ドラマ「北方謙三 水滸伝」のロケ地のひとつに選ばれたことも話題になっています。映像作品のロケ地として選ばれるほど、その景観の本格さと美しさが認められているということですよね。
おすすめポイント
燕趙園の最大の特徴は、本場中国から来日した演者による中国雑技ショーが毎日無料で観覧できること。団体雑技、柔術、輪くぐりなどの中国伝統芸術が披露されますが、特に見逃してほしくないのが「変面」です。目の前で瞬時に仮面の顔が変わるという神秘的な技で、どうやっているのかまったくわからないまま終わる、不思議な体験が楽しめます。公演は1日3回、9時30分・13時30分・15時から行われます。
チャイナドレスをレンタルして庭園内を歩くサービスもあります。ベビー・こども用から大人用まで、サイズ多数あり、男性用のコスチュームも用意されています。本格的な中国庭園をバックに撮影した写真は、まるで中国を旅しているような一枚になります。
見どころ|季節ごとの楽しみ方
東郷湖を望む立地も燕趙園の大きな魅力です。湖と山々に囲まれた景色が中国庭園の雰囲気と絶妙にマッチしており、独特の非日常感を生み出しています。
4月中旬にはボタン園で約1,200株、5,000輪を超えるボタンが咲き誇ります。春の庭園は特に華やかで、中国庭園の色彩豊かな建物と大ぶりな牡丹の花が組み合わさった風景は、何枚でも写真を撮りたくなる美しさです。
7月中旬ごろには池の蓮が見頃を迎えます。蓮は日の出とともに花が開くため、午前中が見頃です。この時期は期間限定で早朝から開園する予定があります。庭園の池と水面に映る建物の倒影、そして咲き始めた蓮の花の組み合わせは、日本では燕趙園でしか見られない絶景です。
秋には庭園内の木々が色づき始め、中国庭園の赤や金の装飾と紅葉の組み合わせがなんとも華やかな景色になります。冬は雪をかぶった瑠璃色の屋根が美しく、静かな庭園の空気感が一段と澄み渡ります。
道の駅「燕趙園」が隣接しており、中国式の歩道橋で行き来できます。鳥取県中部のご当地グルメとして注目を集めている牛骨ラーメンや、鳥取名物の梨ソフトが食べられます。地元の特産品や農産物加工品のお買い物も楽しめます。大きな窓から東郷湖畔を眺めながら休憩できるスペースもありますよ。
アクセス・行き方
電車の場合
JR山陰本線「松崎駅」から徒歩約10分。
車の場合
JR倉吉駅から車で約10分。倉吉白壁土蔵群から車で約20分、三朝温泉から車で約15分、鳥取砂丘コナン空港から車で約50分と、鳥取中部の各スポットからアクセスしやすい場所にあります。駐車場は270台分あり、無料で利用できます。
営業時間・料金・注意点
- 営業時間: 9:00〜17:00(最終入園16:30)
- 入園料: 大人500円、小・中学生200円、幼児以下無料
- 団体割引: 10名以上は大人450円、小人180円。20名以上は大人400円、小人160円。障がい者と同伴者1名は無料
- 定休日: 1月・2月の第4火曜日(祝日の場合は翌日)
- 雑技ショー: 毎日3回公演、9:30〜、13:30〜、15:00〜。観覧無料(入園料は別途必要)
- チャイナドレスレンタル: 大人500円、小人300円
- 駐車場: 270台、無料
鳥取県中部へのアクセスガイド
飛行機でのアクセス
最寄りの空港は鳥取砂丘コナン空港です。東京・羽田空港からは約1時間10分のフライトで到着します。空港からはレンタカーが便利で、倉吉市内まで車で約40分、三朝温泉まで約45分です。
もうひとつの選択肢として米子鬼太郎空港も使えます。東京・羽田空港からは約1時間15分のフライト。空港から倉吉市内まで車で約45〜50分です。
新幹線・JR利用の場合
東京方面からは、新幹線で岡山まで行き、特急「スーパーいなば」に乗り換えて鳥取駅へ。鳥取駅からさらに山陰本線の普通列車で倉吉駅まで約45分です。
大阪・関西方面からは、特急「スーパーはくと」を利用すると倉吉駅まで直通で約3時間。東京からよりも大阪からのほうがアクセスしやすいエリアです。
車でのアクセス
中国自動車道・米子自動車道を利用するルートが便利です。大阪方面からは中国道「院庄IC」を降りて国道179号線経由で約1時間30分。岡山方面からは米子道「湯原IC」または「蒜山IC」を降りて約40分で倉吉方面に到着します。
中部エリア内の移動について
4つのスポットはいずれも車で15〜45分の範囲に集まっています。倉吉駅でレンタカーを借りてまわるのが最も効率的です。公共バスも各スポットに通っていますが、本数が限られていることがありますので、事前に時刻表を確認してから計画を立てることをおすすめします。
訪問前に知っておきたい注意点まとめ
三徳山三佛寺投入堂
服装・靴の事前チェックが必須です。サンダルや底の薄い靴、動きにくい服装での入山はNGになる場合があります。動きやすく、両手が自由に動かせる服装と、グリップのしっかりした靴を準備しておきましょう。2名以上でないと参拝登山ができませんので、一人旅の方は遥拝所からの観賞になります。雨天・荒天・冬季積雪時は登山規制がかかりますので、公式サイトで当日の情報を確認してから出発してください。境内へのドローン飛行は禁止されています。
倉吉白壁土蔵群
外観の見学は無料で通年自由に楽しめますが、各店舗の営業時間は施設によって異なります。目的のお店がある場合は事前に確認してください。観光ガイドは事前予約制です。ゴールデンウィークや紅葉シーズンは観光客が多く集まります。
三朝温泉 河原風呂
混浴の野天風呂です。バスタオル着用でお入りください。水着・湯あみ着の着用は不可です。奇数日の午前中は清掃のため入浴できません。脱衣スペースは簡易的なものですので、貴重品の管理には十分ご注意ください。昼間は橋の上や周囲から浴槽が見えますので、女性の方は夜間の利用を検討してみてください。
中国庭園 燕趙園
雑技ショーは毎日3回行われますが、スケジュールに余裕を持って訪れると確実に観覧できます。1月・2月の第4火曜日は休園日です。祝日の場合は翌日が休みになりますので、訪問前にカレンダーを確認してください。道の駅「燕趙園」は隣接しており、お土産の購入や食事も便利にできます。
まとめ|鳥取県中部は、旅の深さを求める人にぴったりの場所です
いかがでしたか。鳥取県中部には、有名な観光地とはひと味違う、深さと独自性のある場所が集まっています。
断崖絶壁に建つ謎の国宝、800年の歴史を持つ世界屈指のラジウム泉が無料で楽しめる野天風呂、江戸時代の風情をそのままとどめる白壁の町、そして日本で最も本格的な中国庭園。これだけ個性の異なるスポットが車で15〜45分以内にある場所は、全国でもなかなかないと思います。
「見るだけでなく体験したい」「ありきたりな旅はしたくない」という方にこそ、足を運んでほしい場所です。どのスポットも、写真や言葉では伝えきれない「その場でしか感じられないもの」があります。険しい山道を登り切って投入堂を目にした瞬間の感動、白壁の町を歩きながら漂う醤油の香り、河原で青空を見上げながら温泉に浸かる解放感、中国庭園で変面ショーに驚く瞬間。これらはすべて、実際にその場に立って初めてわかることです。
三朝温泉を拠点にして、2泊3日くらいでじっくり鳥取中部を巡ってみてください。旅の帰り道には「また来たい」と思えているはずです。鳥取県中部は、そういう力を持った場所なんです。
最後に、三朝温泉エリアでの宿泊情報もあわせてご覧ください。良い宿選びが、旅全体の満足度をぐっと高めてくれます。
※掲載している営業時間・料金などの情報は2026年4月時点のものです。変更になる場合がありますので、お出かけ前に各施設の公式サイトや公式情報を必ずご確認ください。


